新「会社人間」主義ー娘のひとこと

日曜日の昼下がり、5歳の娘が突然、こう言った。

「○○(娘の名前)、大人になりたくない」
「どうして?」
「大人になると会社に行かなければならないから」
「どうして、会社に行きたくないの?」
「だって、会社ってつまらないところだから」
「どうして、つまらないって分かるの?」
「だって、おもちゃがないんだもん!」

最後の答えは、子供なりの表現であるが、要するに、私の普段の様子などから会社は決して面白いところではないと、直観しているのだと分かり、驚きもし、ショックを受けた。
職業を持つ大人にとって、人生の中で気力・体力ともに充実している時期の大半を過ごす会社勤めが、面白くないとすれば、これほど不幸なことはない。また、そんな風にしか、自分の姿を子供に見せてやれなかったのは、親として情けない。子供にとって、人生とは「お受験勉強で疲弊しきった後の、つまらない会社生活」であると結論付けられてしまったら、夢も希望もなくなってしまう。

現代の会社生活を少しでも、わけの分かったものに解釈すること、そして、今後もっと楽しくいきいきと仕事ができるようにするには、何を変えていけば良いのかについて考えてきた。
日本のサラリーマンにはまだまだ未来があるというのが、私の結論である。
(新「会社人間」主義ー私の考える「ホワイトカラー」- 1999年1月より)

私は、(年はかなり食ったが)当時より今のほうがいきいきと仕事をしている確信がある。長女は二十歳を超えたが、当初の言葉通り会社には行かず、自由業の道を目指している。親子初の出版物でイラストを担当するなどクリエイターとしての歩みを始めている(親として、実に嬉しい)。

再び、私。遅まきながら、働くことで輝いている姿を子供達に見せてやり、彼らの記憶に残る父親になりたいと願っている。

イメージ 1
(ここに記載した文章は全て筆者のオリジナルであり、事前の承諾なき無断転載を固く禁じます。イラスト作成は、「霧」のオリジナルであり、事前の承諾なき無断転載を固く禁じます。)