2019-01-01から1年間の記事一覧

過労自殺・パワハラ自殺を防ぐためにすべきこと

過労自殺に対して企業の安全配慮義務を認める「電通事件判決」が出されてから20年近くが経ったが、有名企業の社員の過労自殺やパワハラ自殺のニュースが後を絶たない。 2019年11月20日、労働政策審議会の分科会が、職場での「パワーハラスメント」の防止に向…

中途採用率の公表義務化―新卒一括採用からの官製転換施策!?

12月8日(日)の読売新聞1面トップ記事に「中途採用率の公表義務化」の記事が載っていた。それによると、「従業員301人以上の大企業に対し、中途採用と経験者採用が占める比率の公表を義務づける方針を固めた。新卒一括採用の転換を促し、働き方の多様化を進…

新著「あなたの会社にドラマクィーンはいませんか?」を12月19日に上梓します

www.rodo.co.jp 12月19日に、労働新聞社より「あなたの会社にドラマクィーンはいませんか?」を上梓します。 本書は、ドラマクイーン、ナルシスト、ブレイマーなど、異常な言動をとる「残念な管理職」(その行動の多くは、パワハラに該当する可能性がありま…

定年後の心象風景(その2)

前回のブログの続きである。 定年後の世界に怯えるのは、「男は仕事、女は家庭」という古風な考え方をする日本男児に多いのかもしれないが、そもそも、家族や身近な共同体を離れて、縁もゆかりもない人達と「会社」という組織で(無理やり)働かされる形態は…

定年後の心象風景(その1)

「定年後」をテーマにした書物が売れている。 平均寿命が80歳を超える一方で、多くの日本企業の定年制は60歳のままであり、残りの20年をどう埋めていくかを悩むサラリーマン諸兄が多いからである。 より切実には、公的年金の受給開始年齢が65歳まで引き延ば…

東京大学「教養学部生のためのキャリア教室」での講義

東京大学教養学部より委嘱を受け、2019年10月25日、駒場キャンパスにて、同学1・2年生約50名を対象に「教養学部生のためのキャリア教室」の授業を行いました(60分講演、30分質疑応答)。「教養学部生のためのキャリア教室」は、社会の様々な分野に携わる人…

Courage and Activeness– Tips for Improving English as a non-native speaker 度胸と積極性ー日本人の英語力向上に必要なもの

Whatever you would like to do, you need a spoonful of courage and activeness; so do the Japanese who want to improve their English. Communicating in a language other than one’s mother tongue is just like joining a handicapped match; you ne…

English for Japanese as business communication tool

What surprised me first when I started working at a foreign capital company in Tokyo was most Japanese employees’ English levels are not enough for international business communications. English resumes of job applicants were the same; the…

日本人の目指すべきビジネス英語について

初めて外資系企業に勤めたときに驚いたのは、ここでも、日本人の英語の水準は高くないということだった。英語ができるつもりで英文レジュメを送ってくる候補者のそれも、基本的な冠詞の使い方を間違っていたり、残念なものが多かった。ふと、何年も前に、イ…

鈴木たかつぐ社会保険労務士事務所の開設

先月末で、人事総務法務責任者として勤めた外資系企業取締役を退任し、今月から「鈴木たかつぐ社会保険労務士事務所」を立ち上げることにしました。外資系に転ずる前には、日本の伝統的な企業で30年間、人事労務に関するあらゆる分野の経験を重ねてきました…

英語力向上の秘訣ー度胸と積極性

どんなことをするにも、多少の度胸と積極性が必要だ。 母国語以外の言語でコミュニケーションするのは、ハンディキャップマッチに参加するようなものだから、自分の居場所(Identityと言っても良い)は自分で確保する心構えが肝心で、多少の度胸と積極性が要…

英語力上達のもうひとつのカギは、「かっこうよく話そう」と思わないこと

英語を介して外国人と仕事でコミュニケーションを取るようになってから20年以上経った。最初の頃は英語ネイティブの人と同じような発音で流ちょうに話せることを目標にしていたように思うが、今は、違う。どのように話すかよりも、何を話すかということの方…

英語力向上の近道ーモチベーションの持ち方次第

外資系企業で採用面接を6年間行ったが、英語に関して言えば、応募者は完全に二手に分かれる・・・ほとんど勉強してこなかった人と、それなりに努力して向上させて来た人にである。だが、英語力がどの程度のレベルかを別にして、外国人とのコミュニケーション…

外国人との言葉によるコミュニケーション

外国人とコミュニケーションをする仕事に関わってから20年以上は経つだろうか(もっと遡れば30年数年前に、イギリス人の英語教師と付き合い、Identityとは何かを学んだこともある)。この評価について自分の心に素直に聞いてみれば、グローバルにかかわる仕…

なぜ、ビジネスの世界で横暴な管理職が続出するのか?

ビジネスの世界で、パワハラが横行している。 全国都道府県の労働局に設置されている「総合労働相談コーナー」に寄せられる民事上の個別労働紛争の相談のうち、パワハラを含む「いじめ・嫌がらせ」に関する相談件数は、平成24年度から6年連続でトップになり…

働き方改革

毎日決まった時間に出勤するパターンから解放されて、数日しか経っていないが、精神的な拘束感がなくなったインパクトは大きい。「自由」とはこういうことかと、恐るおそる実感する日々である。 今、官民一体(?)となって「働き方改革」を進めている。関連…

Trust Me!

30数年間のサラリーマン生活を通じて上司から聞いた言葉のうちで、一番印象に残っているものと言えば、文句なく、" Trust me! "である。感動したからではなく、その後の失望の大きさが想定をはるかに超えたからである。当時、経営は大きなチャレンジに直面し…

ひとまずは、卒業?

6年間勤めた外資系企業を辞めた。私にとっては初めての外資系企業での経験は中身の濃いものであり、あっという間に過ぎてしまったというのが実感である。会社とそこに集う人に、HR責任者としてどのような貢献ができたのかは、私が評価すべき項目ではないが、…

当てにならない「第一印象」

社会生活をする限りは色々な人とすれ違うことになるが、その人となりを判断する際に第一印象が与える影響は大きい。人相や言動等から明らかにおかしい人は、第一印象で判断できるし、その判断が間違っていることはあまりなかったと個人的には思う。 だが、筆…

外国人幹部とのコミュニケーションのやり方(その3)

最終出勤日まで数日を残すのみとなり、大人しく過ごしたいところだったが、グローバル人事本社から理不尽なメールが来たので、カウンターを返した。昨年末、グローバル人事の本社から突然、各地のローカル人事責任者向けに、「明日までに、〇〇グローバル研…

会社の看板を背負う?

今から数十年前、就職活動をしていた頃、訪問先の企業の人から「会社の看板を背負って仕事をしているから責任重大だ」と言われたことがある。当時は、「へえ、そんなものかなあ」と思ったが、今は、看板を背負っていると考えるのは幻想と思い上がりに過ぎな…

ドラマクイーン

外資系企業に転職して間もない頃、人材紹介コンサルタントの女性から「ドラマクイーン」なるものの存在を聞かされた。 "Drama Queen"とは、「ドラマのヒロインのように芝居がかった行動を取る人、物事に対してオーバーリアクションを取る人、些細な 事柄をさ…

外国人の人材コンサルタントの特徴

日本の会社に勤めていたとき、採用のために全国の大学を飛び回っていた上司の人事課長から、「もらった名刺にその人の特徴を書いておくと、後で思い出すときに助かるよ」と言われ、以来、実践している。 現職の外資系企業での勤務も数日を残すのみとなり、名…

定年後の心象風景(その3)

前々回からの続きのブログである。 家族に働く姿を見せないで、会社に囲われ続けて時を過ごしても、家族からさほど評価されることはない・・・という趣旨のことを前回は書いた。幸い、筆者が子供の頃の父は家から歩いて3分の零細建材店で働いていたので、そ…

定年後の心象風景(その2)

前回に続いてのブログである。 定年後の世界に怯えるのは、(男は仕事、女は家庭という)古風な考え方をする日本男児に多いかもしれない。 そもそも、家族や身近な共同体を離れて、縁もゆかりもない人達と「会社」という組織で(無理やり)働かされる形態は…

外国人幹部とのコミュニケーションのやり方(その2)

前回のブログに続いてのトピックである。 別に幹部に限らなくても良いのだが、外国人のビジネスパースンと接する際に心しておくべきことをもう少々書いてみたい。 1.話題の引き出し:昼間の会議をこなすだけなら、仕事の話さえできればなんとかなるが、会…

外国人幹部とのコミュニケーションのやり方(その1)

日本企業であれ、外資系企業であれ、グローバル規模で事業を展開する企業で管理職ポジションに就く限りは、自社や他社の外国人幹部とコミュニケーションを取る機会を避けて通るわけにはいかないだろう。 その際に、最低限心得ておくべきことを、思いつくまま…

定年後の心象風景(その1)

「定年後」をテーマにした書物が売れている。 平均寿命が80歳を超える一方で、多くの日本企業の定年制は60歳のままであり、残りの20年をどう埋めていくかを悩むサラリーマン諸兄が多いからである。 より切実には、公的年金の受給開始年齢が65歳まで引き延ば…

外国人幹部とのコミュニケーションのやり方(その2)

前回のブログに続いてのトピックである。 別に幹部に限らなくても良いのだが、外国人のビジネスパースンと接する際に心しておくべきことをもう少々書いてみたい。1.話題の引き出し:昼間の会議をこなすだけなら、仕事の話さえできればなんとかなるが、会議…

人間関係とFine Tuning

弦楽器を演奏する前にやらなければならない作業に、"tuning"(チューニング、調弦、調律)がある。ギターを例にとれば、6弦の各々の音が正しい高さになっているかどうかをチェックし、糸巻をいじって調整する作業である。 正しいチューニングは、素晴らしい…