新「会社人間」主義ー自分が成長したかどうかを確認する方法

会社に入って5年もすれば、それなりに仕事に自信がついてくる頃である。一般に、新入社員が入社5年目の先輩より仕事ができるということはないであろう。では、5年目と10年目ではどうか。10年目と15年目ではどうか。経験年数と共に職務遂行能力が向上して行くのはせいぜい15年目くらいまでではないか。そこから先は、個人差が激しくなる世界であろう。これが分かってしまうと、日本的年功制の下で働き続けることは難しくなってくる。

端的に言えば、自分のライバルになるような人材が自分の経験年数を基準に、プラス・マイナス何年の範囲にいるかを考えてみると良い。これを考える場合、相手の年齢などは一切忘れて、職務遂行能力だけに注目して観察してみることである。あるいは、自分の将来のモデルになるような人物が自分の5年、10年、15年上の先輩にいるかどうかを観察してみてもよい。

いないと思うようなら、あなたは相当の実力と自信をつけてきた証拠である。この会社に留まるのにはもったいない人材なのかもしれない。しかし、他社にはあなたが想像するよりももっと凄い人材がいるかもしれない。過信と油断は禁物である。
(新「会社人間」主義ー私の考える「ホワイトカラー」 1999年1月 より)


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