新会社人間主義ーやる気の3要素

職業生活において、やる気を出すために欠かせない要素は3つある。

一つ目 報酬・・・労働者は、労働の対価として賃金をもらう。仕事の価値に見合った給与を貰わずに満足する人は少ない。扶養家族を持つようになれば尚更だ。仮に、本人が仕事の面白さに熱中していても、家計を切り盛りする配偶者が赤貧状態に我慢できるはずもない。毎晩、食卓で亭主の稼ぎの少なさを論うことになる。

二つ目 名誉・・・端的な形では、長年の論功褒賞(?)として、課長や部長というポストにつく。これに付随して、ヒラの時代よりも大きな机をあてがわれて場所を窓際まで移動したりする。誰から見ても、「あの人は管理職」と分かるようにする。社外の人と交渉する場合にも、やはり肩書はそれなりの効果を発揮する。これらの措置は、サラリーマンに大きな満足を与えるものである。

三つめ 仕事のやりがい・・・本来は、第一番目に来るべきものかもしれない。価値あること、面白いことをやっているときは、純粋に楽しいものである。人生は短いようで長い。楽しくなれば生き生きとして来ない。「やりがい」は、人生に深い満足を加えていく上で、非常に重要なものである。
これを三番目に置いてみた理由は、大企業では仕事の内容を自分で選び続けることは難しい面があるからだ。社内を見渡して自分以外に出来る者がいないほどの専門スキルを保有して従事する場合を除けば、好きな仕事に没頭し続けられるケースは稀である。その場合でも会社としては、いなくなった時のリスク回避のため、同じ仕事ができる者(=後継者)を、ローテーション等の方法で出来る限り早く育成することに努めるだろう。
(1999年1月作成 新「会社人間」主義―私の考える「ホワイトカラー」より)

(イラスト:漫画家「霧」作成(無断転載厳禁)
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