新「会社人間」主義ー仕事とやりがい

仕事とは何か?

「まず働くこと、それは生活の基盤であり、人生の主要部分である。働く場は自分の夢や希望、志を実現する生きがいの場所でもある。仕事への興味はそこにつぎ込んだ情熱に比例する。達成のために苦労があるが、それがないと喜びもないだろう。勤労を通して人は成長する。」 
山本卓眞 「勤労哲学再考の時期」 読売新聞 1996年5月27日

再び、仕事とは何か?

「社会に有用な価値を生み出す持続性のある行為で、通常は対価としての報酬を受ける活動」のことをいう。21世紀の日本でも、大半のケースでは会社勤めという形態を通して行われるであろう。

昔:仕事=人生の目的そのもの
今:仕事=生活の手段+やりがいを探す場

仕事にやり甲斐を見いだせればそれに越したことはないが、現実にはなかなか難しい。なぜなら、仕事自体を選びながら人生を渡ってくのは容易ではないから。むしろ、仕事に人間が選択されているケースが一般的であろう。会社の与える仕事が個々人の社員の目的と一致することが望ましいが、いつもそうとばかりは限らないのが現実である。
経営者は、この前提に立った上で、どうやって従業員のモラールを上げるべきかを考える必要がある。
また、従業員が、やりたい仕事をさせてもらえないとして会社に不満を持つのは勝手だが、すべての従業員に気に入る仕事を与えるのもまた難しいということは認識しておいたほうが良い。

仕事には喜びが必要だ。やり甲斐と言ってもよい。
日本での研修のお手伝いをしたアメリカ人マネージャーに近況報告を兼ねてメールを送ったら、倍の量になって返事が返ってきたことがある。楽しそうにやっているようだ。このメールを見ただけでその日一日の労働意欲が湧いてきて、過去にした仕事(日本研修のアテンド)の意義も確認することができた。

喜びとは不思議なもので、ささいなところからやってくる。
小さな喜びから始まることでよいから、自らの仕事に、常に、意義を見出せるように心がけたい。金のために働く以上の価値を見出せない人は、人生の半分を浪費しているようなものである。
・・・新「会社人間」主義ー私の考える「ホワイトカラー」 1999年1月 より

いつも自分のやりたいと思う仕事を続けられるとは限らないが、仕事の中にささいな喜びをみつけるつもりで働いていると、これまで気づかなかった良い点を発見できることもあるだろう(それが本当にないのなら辞めた方が良い)。

The only way to do great work is to love what you do.
すばらしい仕事をするには、自分のやっていることを好きにならなくてはいけない。

 

(ここに記載した文章は全て筆者のオリジナルであり、事前の承諾なき無断転載を固く禁じます。)