新「会社人間」主義ー年功制の問題点Ⅱ・・・中高年齢者の非効率

日本の年齢別人口構成がピラミッド型だった高度成長期では、中高年齢者は会社の中において、功なり名を遂げた長老として衆目の尊敬と「名誉ある地位」を占めることができた。実際に頑張ったことに加え、高年齢者の人数が少なかったからである。
マイナス成長時代を迎え、釣り鐘型の年齢構成になってみると、当たり前のようにどこの職場にもいる高齢者は、残念ながら非効率の代名詞になることはあっても、尊敬を集めるまでにはいたらないことが多いのではなかろうか。黙っていても年数を経れば給与が上がっていく仕組みは、結果として中高年者を惰性で働く非効率の集団にしてしまったようでもある。

給与と貢献の関係に対する会社と中高年社員の認識には大きなギャップがある。
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労働者回答では、30代以降の年齢層のいずれにおいても、給与以上の貢献をしていると考える者の割合は9割を超えている。
企業回答によれば、賃金に見合うだけの貢献をしていないと思われる社員の割合は中高年層ほど高くなっており、50代では3割強に達している。逆に一番低いのは30代である。ここから、能力を一番発揮する30代の賃金を低く抑えて、40代後半から50代にかけて厚くしているという賃金カーブのイメージが浮かんでくるのである。
(新「会社人間」主義ー私の考える「ホワイトカラー」 1999年1月 より)

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