外資で働く(18)-外資系企業の社長

 社長の仕事は大変だと思う。傍で見てきてそう感じる。外資系企業の日本人社長ともなるとさらに大変である。グローバル本社と国内の板挟みだからである。

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ローカル(日本)の文化とやり方を重視し、国内従業員の声に耳を傾けながら経営のかじ取りをしていると、国内従業員からは慕われるが、グローバル本社から横やりが入る。「日本には独特の商慣習や文化があるから、やり方は任せてくれ」と言えるのは、業績を伸ばしている間であり、右肩下がりになった途端に強い介入が入る。

かといって、グローバル本社の方針や目標管理に過度に追随しすぎると、国内従業員から「あの社長はイエスマンだ」と言われる。数値目標を達成しなければ社員の雇用も守れないから、本社の方針・目標を達成する為に、厳しい業績管理をすることは必要なのだが、かじ取りのさじ加減を間違えると、社員の厳しい批判に晒され、人は社外に去っていく。日本の大企業のサラリーマンほど会社に対する忠誠心が高くないからである。

外国人の社長がExpatriate(出向者)として赴任する場合は、また別の問題がある。これについては、別の機会に触れる。

(上記の文章と図表は全て筆者のオリジナルであり、事前の承諾なき無断転載を固く禁じます)