外資で働く(31)-Dress Code

服装規定(dresscode)とは、さまざまな場所、機会、行事や催し物の場面で、その場面で然るべきとされる服装のルールをいう。


保守的な日本の大企業に勤務する場合に、服装規程(Dress Code)を意識することはほとんどないだろう。

新規学卒入社後の集合研修で服装を含むビジネスマナーの刷り込み教育を徹底して受けるから、職場配属後は、諸先輩方の服装を見習って目立ちすぎないように気をつけるはずだからである。

外資系になると事情は異なる。中途採用主体のため、新しい人が入ってくる度に前の会社のカルチャーを持ち込んでくる。それは、服装の違いに端的に表れる。加えて、(本社のある)欧米と日本の文化は違うので、服装のセンスも異なる。海外幹部の女性の肌の露出度が、伝統的な日本企業では考えられないほど激しいケースもままある。

 
だから従業員の共通認識が保障されていない外資系では、服装規程を定めて従業員に徹底しておくことに意味がある。放っておけば無秩序状態になるからである。

規程の例を以下に紹介するが、最も大事なことは、顧客視点である。私的な時間に何を着ようが会社の関知することではないが、ビジネスを行う場面では、顧客や世間一般の方々に与える印象を考え、節度をわきまえた服装にすることが期待されている。自由放任主義外資系から転じてきた人の中には、このような常識を理解しない人がおり、職場風紀の点で管理者の頭を悩ませることがある。
 
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〇〇株式会社Dress Code(服装規定) 


1.基本的考え方
(1)プロフェッショナルのビジネスパースンであることを自覚し、仕事をするのに相応しい、良識ある服装とすること。
(2)「お客様やビジネスパートナーに不快感を与えないこと」及び、「職場の上司・同僚・部下に不快感を与えない」ことを念頭において身だしなみを整えること。
(3)就業中及び、通勤途上の災害防止の観点から、安全な服装を心がけること。
 

2.就業中の服装
(1)清潔なものをきちんと着用する。

(2)お客様から見て「仕事に来たのか、遊びに来たのか」判らないような服装は控える。
(3)ビジネスマナーの点で不適切な服装例:
・Tシャツ等襟のないシャツ
・タンクトップ、シースルー等、極度に肌を露出した服装

ジーンズ、半ズボン、丈の短すぎるスカート等  
       ・アロハシャツ等、リゾート向きの派手すぎる服装

       ・奇抜な色に髪を染めたり、脱色すること
※夏季はクールビズ・スタイルを推奨しているが、その場合でも節度と品格をわきまえる。


(4)就業・通勤の安全性から見た不適切な例:
      ・ストラップが付いておらず、かかとが浮いてしまう履物(スリッパ、厚底靴、下駄、ビーチサンダル等)

・ヒールの高過ぎる靴
      ・裾や袖等が大きく広がった服

3.顧客対応
    
男性の場合、基本はスーツ・ネクタイ着用(クールビズ期間を除く)とするが、内勤者で顧客対応の機会がない場合や、先方がノーネクタイの場合等、ビジネスカジュアル範囲の
  服装で支障がない場合には、
部門の責任者の判断により、ビジネスカジュアルでの対応も
   可とする。

 
4.その他
適切な服装の判断に迷う場合には、本規定の記載内容を基本に、各職場の責任者(部長以上及びオフィスマネージャー)が判断し、指示をすること。              以上
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