外資で働く(33)-従業員紹介制度(Employee Referral Program)

外資系企業の採用では、採用エージェント利用以外の有力な手段として、従業員の紹介によるものがある。新卒採用を基本とする日本の大企業では考えにくいことかもしれないが、中途入社が主体の外資系企業では、過去に一緒に仕事をした人の中で良い人材がいれば社員から積極的に紹介してもらい、採用するのはごく自然な音である。一緒に仕事をしたことがあれば、能力・経験・人柄を熟知しているから、はずれの人材を採用するリスクはかなり少なく会社にとっては安心して採用できるメリットがある。また、採用エージェント利用で入社した者より定着率が格段に高いし、紹介者の会社に対するエンゲージメントを確認する手段にもなる。良い会社と思わなければ知人を紹介するはずはないからである。


紹介してくれた社員には、被紹介者が入社し一定期間を経過した後にボーナス等の褒賞を与えるのが一般的である。欧米企業では、これを”Employee Referral Program”と称して人材採用のために積極的に活用している。筆者の経験では、社員紹介による入社者が年度の全採用者の4割に達したこともあり、うれしい話ではある。