外資で働く(35)-電子メール(24時間戦うべきか?)

日々、世界各地の外国人従業員と電子メールやテレカンあるいはFace to faceでコミュニケーションを取りながら仕事を進めていくスリルと醍醐味を味わってしまうと、古色蒼然で窮屈な日本企業の文化に戻ることはできないとも感じる。

スリルは、外国人と英文メールのやり取りをするプロセスで、文章の行間を読んで真意を探り、(イライラしているのか、穏やかなのか等の)心理状態を推し量ることで得られる。文体や語調などから相手がどんな状態にいるのかを推測し返信をする、それに対する再返信を見て、「やっぱりね・・・今は、焦っているんだな」、「本当に共感してくれているんだな」などということが分かると宝くじを当てたような嬉しい気持ちになる。電子メールというツールを通じた駆け引き・交渉から得られる醍醐味である。

ある程度の英語力があれば表面的に書かれたことを文字通り理解することはそう難しくない。だが、ビジネスで本当に重要なのは、「このメッセージはどの程度本気で書かれているのか?」、「どの程度の実行性を期待して言ってきているのか?」といったことを読み取る力である。放っておいても大丈夫そうなメールはあえてignoreすることも時には必要である。メリハリをつけずに、全てのメールに真面目に対応していたら体がいくつあっても足りない。この要領の良さを身に着けられるかどうかが、ワーカホリックを防ぐ鍵になる。

厄介なことに電子メールは24時間飛んでくる。家に帰ってからもメールをチェックする癖がついてしまうときりがない。これでは休んだ気になれない。
8時間の睡眠を取ってから見ても致命的に対応が遅れてしまうメールなどは滅多に来ないので要は割り切りである。

いずれにせよ、24時間戦うことはできないし、すべきでもない。
自分でワークライフバランスをコントロールすることが必要になる。