ひとまずは、卒業?

6年間勤めた外資系企業を辞めた。

私にとっては初めての外資系企業での経験は中身の濃いものであり、あっという間に過ぎてしまったというのが実感である。会社とそこに集う人に、HR責任者としてどのような貢献ができたのかは、私が評価すべき項目ではないが、海外の上司から思いもかけず温かいコメントをもらったので、差しさわりのない範囲で紹介しておく。

 

I have been really honored and lucky to have the opportunity to work with you and wanted to thank you for everything you have done the past years for your colleagues. You are the perfect example of the passion, the loyalty and true honesty we want to see in ●●●●.

Our HR colleagues are joining me in wishing you the best and only the best for your future. You will have more time for your family but knowing you, I am sure that you will find a way to share you deep HR knowledge and expertise.

ソ連崩壊や湾岸戦争の時期に、世界を飛び回って精力的な外交を展開した元アメリ国務長官のジェームズ・A・ベーカーが、その著書 "The Politics Of Diplomacy"で以下のように語っている。


「政治の世界で、「言葉」は貨幣である。賢明な使い方をすれば政治的な資本が蓄積され、国民のコンセンサスがまとまり、国は豊かになる。」

 

一部の言葉を置き換え、企業の話にたとえれば以下のようになる。

 

ビジネスの世界で、「言葉」は貨幣である。賢明な使い方をすれば人的な資本が蓄積され、従業員のコンセンサスがまとまり、会社と従業員は豊かになる。

最後の日の直前までもやもやしていた気持ちが、紹介した上司のメッセージでいくらか晴れたような気がする。本当にそう思っているのかは本人にしか分からないが、少なくとも言葉として出されたメッセージは人の心を動かし、ネガティブな気持ちをポジティブな方向に変えることもあるという例である。

 

さて、HRエキスパートとしての私の次のステップはどうなるか?
正に、神のみぞ知る、である。